モールス電信技能認定とは?概要・各級のレベル・練習方法まとめ

モールス信号のスキルを確認できる「モールス電信技能認定」に挑戦してみませんか?

日本アマチュア無線連盟(JARL)が主催する「モールス電信技能認定」の概要から各級のレベル、試験内容、そして合格に向けた練習方法などを紹介します。

モールス信号の世界への第一歩、あるいは更なるスキルアップを目指す助けになれば幸いです。

目次

モールス電信技能認定とは?

モールス電信技能認定は、その名の通り、モールス電信(モールス符号を用いた通信)の技能レベルを証明するための制度です。日本のアマチュア無線界の中心的な組織である一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)が主催しています。

認定の取得には、以下のようなメリットがあります。

  • 客観的な技能証明:モールス信号のスキルを公式に証明できます。
  • スキルの向上:認定を目指して訓練することで、スキルが向上します。
  • 活動の幅:モールス信号仲間からの信頼を得たり、より高度な通信に挑戦するきっかけになります。

モールス電信技能認定の試験種別と合格基準

モールス電信技能認定の試験種別

モールス電信技能認定には、「モールス電信総合」と「モールス電信欧文」の2つの試験種別があり、和文の試験を含むか含まないかが異なります。

いくつかの段級位が設けられており、それぞれの試験項目は以下の表の通りです。

段級位モールス電信総合モールス電信欧文
名人位和文、欧文普通語、欧文暗語(送信・受信)なし
5段和文、欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)
4段和文、欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)
3段和文、欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)
2段和文、欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)
初段和文、欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)
1級和文、欧文普通語(受信のみ)欧文普通語(受信のみ)
2級和文、欧文普通語(受信のみ)欧文普通語(受信のみ)
3級和文、欧文普通語(受信のみ)欧文普通語(受信のみ)

モールス電信技能認定の通信速度・試験時間・合格基準

通信速度・試験時間・合格基準も以下の表のように段級位に応じて異なり、ご自身のレベルに応じて選択できます。

段級位通信速度試験時間合格基準
名人位180字/分約5分間90点以上
5段160字/分約3分間80点以上
4段140字/分約3分間80点以上
3段120字/分約3分間80点以上
2段110字/分約3分間80点以上
初段90字/分約3分間80点以上
1級60字/分約3分間80点以上
2級45字/分約2分間85点以上
3級25字/分約2分間90点以上

モールス電信技能認定の問題の内容と形式

試験は基本的に「受信試験」のみになります。 ※「送信試験」は名人位のみ

  • 受信試験
    • モールス符号の音声を聞き、用紙に書き取ります。
    • 和文の受信用紙は縦書き、欧文の受信用紙は横書きです。
  • 送信試験
    • 名人位のみ送信試験も行われます。

送受信の内容(和文・欧文普通語・欧文暗語)

①和文
 和文のモールス符号を使用し、内容は一般の文章(普通文)です。

②欧文普通語
 欧文のモールス符号を使用し、内容は一般の文章(普通文)です。

③欧文暗語
 欧文のモールス符号を使用し、内容はアルファベット5連文字、5連数字または文字・数字・記号の混合です。

合格に向けた練習方法(レベル別 練習クイズに挑戦!)

合格に向けてモールス信号の訓練を継続的に行う必要があります。訓練を続けると少しずつ確実に上達していきます。

モールス電信技能認定を受験する前に練習してみませんか?より実践に近い形式に慣れておくことはとても重量です。

以下のリンクから、各レベルに合わせた練習クイズに挑戦できます。自分がどのレベルを受験するかの目安にもなります。

練習クイズ練習クイズの内容
練習クイズ(名人位)(準備中)和文、欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)
練習クイズ(5段)(準備中)和文、欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)
練習クイズ(4段)(準備中)和文、欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)
練習クイズ(3段)(準備中)和文、欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)
練習クイズ(2段)(準備中)和文、欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)
練習クイズ(初段)(準備中)和文、欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)
練習クイズ(1級)(準備中)和文、欧文普通語(受信のみ)
練習クイズ(2級)和文、欧文普通語(受信のみ)
練習クイズ(3級)和文、欧文普通語(受信のみ)

認定試験の受験方法と各種費用

モールス電信技能認定は、以下の2通りの受験方法があります。

種別対象段級位
JARLが直接行う認定試験すべて
JARLが認めたボランティア試験員が行う認定試験1級〜3級

JARLが直接行う認定試験

JARLが直接開催する認定の実施については、JARL NEWSダイジェストのページやJARL NEWSなどで開催のお知らせが出ます。

受験者数が少ないため年1回程度の開催です。

JARLが認めたボランティア試験員が行う認定試験

1級〜3級は、一定の基準を満たしたボランティア試験員による認定試験も受験できます。

ボランティア試験員の基準
  • モールス電信総合1級以上の資格を有し、かつ免状の交付を受けていること。
  • JARLの正員であること。
  • 満25歳以上であること。

ボランティア試験員による1級~3級の認定を受けるには、事務局に連絡し、お近くのボランティア試験員を照会してもらいます。

その方と直接連絡を取り、都合のよい日時などを確認した上で、「モールス電信技能認定申込書」の必要事項を記入し、手数料を添えて提出し受験します。

受験費用

受験費用は、認定試験の種類に関係なく、以下のとおりです。

段級位会員非会員
名人位3,000円(22歳未満は、1,500円)6,000円(22歳未満は、3,000円)
初段以上2,000円(22歳未満は、1,000円)4,000円(22歳未満は、2,000円)
1級以下1,000円(22歳未満は、500円)2,000円(22歳未満は、1,000円)

免状交付費用

合格すると、合格の日から6ヶ月以内に申請すると免状を交付できます。

免状交付費用は以下です。

段級位免状交付費用
名人位5,000円(22歳未満は、2,500円)
初段以上4,000円(22歳未満は、2,000円)
1級以下2,000円(22歳未満は、1,000円)

免状の交付はJARL会員限定のため、非会員の方で免状が欲しい場合はJARLに入会する必要があります。

JARL入会に関する費用は、JARL会案内をご覧ください。

モールス電信技能認定のその他の情報・豆知識

✅ ボランティア試験員による認定試験の受験会場は試験員と調整して柔軟に決められる。(受験者の自宅で行ったこともある。)

✅ 試験の前に、短い練習文を数回再生して、音量調整を行う。

✅ 問題には、文字だけでなく区切点や括弧も出てくる。

✅ 試験は、HR HR [BT]の音声のあと開始され、[AR]で終了する。

まとめ

モールス電信技能認定は、モールス信号スキルを証明し、さらなるステップアップを目指すための素晴らしい目標となります。

各級のレベルを理解し、自分に合った練習を継続することで、合格は決して遠いものではありません。

ぜひ練習クイズにも挑戦して、モールス信号の奥深い世界を楽しんでください!

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