モールス信号の区切り方とは?文字間・単語間の表記ルールをわかりやすく解説

モールス信号を見たり聞いたりしていて、「文字の区切りはどうするの?」と気になったことはありませんか?

この記事では、モールス信号の「区切り」の基本ルールや表記方法、実例までを、初心者にもわかりやすく解説します。

目次

モールス信号の基本構造と長さの目安

モールス信号は、短い音「・(トン)」と長い音「-(ツー)」を組み合わせた符号で文字を表します。

2種類しかないのに区切りはどう表現するのかが気になると思います。

区切りは「無音」で表現します。

モールス信号は、一定の「時間の長さ」を基準にして構成されており、次のような「単位」で使い分けます。

種類説明長さの目安(単位)
短点「・(ドット)」「トン」1単位
長点「-(ダッシュ)」「ツー」3単位
短点や長点の間の区切り同一文字内の無音1単位
文字と文字の間の区切り別の文字との間の無音3単位
単語と単語の間の区切り単語間の無音7単位

短点が1単位で長点が3単位なので、「短点を0.2秒の長さとするなら、長点は0.6秒の長さにする」という意味です。

区切りの種類によって長さが決められており、無音の長さによってなんの区切りなのかを使い分けます。

次の章でくわしく解説します。

モールス信号の区切りの長さの実例

区切りの長さを例をまじえて解説します。

短点や長点の間の区切り(1単位)

例えば「A」は「・ー」と表現します。

「・」と「ー」の間の無音の長さは1単位になります。

文字と文字の間の区切り(3単位)

例えば「OK」と送りたい時は、「--- -・-」と表現します。

「---」と「-・-」の間の無音の長さは3単位になります。

単語と単語の間の区切り(7単位)

たとえば「O K」のように「O」と「K」の間にスペースがある場合、

「---」と「-・-」の間の無音の長さは7単位になります。

テキスト表記でのモールス信号表記ルール(視覚的な区切り)

実際のモールス信号は音声で送受信するため無音の長さで表現できます。

では、テキスト表記で視覚的に表現する場合はどうすればいいのでしょうか?

短点や長点の間の区切り(1単位)

例えば「A」は「・ー」と表現します。

「・」と「ー」の間は何も入力しません。短点や長点の間は何もなくても1単位の無音とみなします。

文字と文字の間の区切り(3単位)

例えば「OK」と送りたい時は、「--- -・-」と表現します。

「---」と「-・-」の間は半角スペースがあります。半角スペースを3単位の無音とみなします。

単語と単語の間の区切り(7単位)

たとえば「O K」のように「O」と「K」の間にスペースがある場合、

「---」と「-・-」の間は、「 / 」(半角スペース+スラッシュ+半角スペース)で7単位の無音とみなすことが多いです。

つまり「--- / -・-」と表現します。

モールス信号において区切りが重要な理由

モールス信号では「・(トン)」と「-(ツー)」の組み合わせだけで文字や文章を伝えるため、それらをどう区切るかが極めて重要です。

区切りのルールが曖昧だったり無視されたりすると、意味の取り違え通信エラーにつながる可能性があります。

ここでは、モールス信号の区切りがなぜ重要なのか、その理由を2つの観点から詳しく解説します。

① 正確な受信のために不可欠

モールス信号は音(または光)を一定の時間間隔で区切って送ることで、情報として認識されます

たとえば、「A(・-)」と「N(-・)」は符号が似ていますが、もし間の区切りが曖昧だと区別がつきにくくなります。
例えば、区切りが短いと「P(・ーー・)」に聞こえてしまいます。

正しい区切りは、受信者がどこまでが1文字で、どこからが次の文字かを正しく判断するための重要なガイドライン

他の通信と混ざったり、ノイズが入ったりした際にも、明確な区切りがあることで誤解を防ぐことができます。これは実際の無線通信の現場でも非常に重要です。

② 資格試験の採点にも影響

モールス信号の試験では、符号の正確さだけでなく、区切りの正確さも評価対象になる場合があります。

  • 文字の間隔が短すぎたり長すぎたりすると減点
  • 単語間の区切りが曖昧だと減点
  • 指定のWPMに基づくテンポで送受信できているか

実務や試験の場では、「トンツーの打ち方」だけでなく、「どこで止まるか・間を空けるか」という部分まで含めて「モールスができている」と評価されます。

よくある質問(FAQ)

スペースはどこで入れるのが正しいの?

基本的には「文字間にスペース」「単語間に /」がわかりやすく、一般的です。

音で表現する時、どのくらいの長さで区切ればいいの?

モールス信号では短点を1単位とし、文字間は3単位、単語間は7単位の無音を入れます。

まとめ:区切りはモールス信号にとっての「文法」

モールス信号における区切りは、まさに「句読点」や「文法」のような役割を果たします。
単なる無音ではなく、意味を分ける重要な記号なのです。

  • 短点や長点の間:1単位
  • 文字と文字の間:3単位
  • 単語と単語の間:7単位
  • テキスト表記:半角スペースや「 / 」を活用

これらのルールを理解すれば、モールス信号の読み書きもより正確でスムーズになります。

以下の変換ツールでモールス信号の音声を再生して、区切りの無音の長さを感じ取ってみましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次