モールス信号とは?意味や何に使うのかをわかりやすく解説【初心者向け】

「モールス信号って何?」
「いまでも使われているの?」

そんな疑問を持ったことはありませんか?

モールス信号とは、点(・)と線(-)の組み合わせで文字や言葉を伝える通信方法で、19世紀から現代にかけて長く使われてきました。

本記事では、モールス信号の意味や、何に・いつ・どこで使われるのかを、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。

モールス信号とは?【簡単にわかりやすく】

モールス信号とは、「・(短い信号)」と「-(長い信号)」の組み合わせによって、文字や数字、記号を伝えるとてもシンプルな通信方法です。

もともとは1830年代にアメリカの発明家サミュエル・モールスによって考案され、電信(電気通信)で文字情報を送るために使われました。

電話やメールの無い時代に遠隔で早く情報を伝える唯一の方法でした。

たとえばアルファベットのABCはモールス信号で次のように表されます。

文字モールス信号
A・-
B-・・・
C-・-・

文字を符号化することで、電気信号で情報を伝達できるようにしたのがモールス信号です。

では、電話やメールで自由に情報伝達できる現代では何に使われているのでしょうか?

モールス信号は何に使うの?いつ使うの?どこで使うの?

モールス信号の本来の目的は、声や映像が使えない状況でも、遠くにいる相手に正確に情報を伝えることです。

電話やメールが当たり前になった現代では何に使われているか見ていきましょう。

アマチュア無線家の楽しみとして

世界中のハム(無線愛好家)が、趣味や技術習得の一環として使用しています。

ノイズに強く、少ない電力でも遠距離通信が可能です。

電話やメールのように多くの情報を早く送れないことが逆に心地よいと感じる方もいるようです。

ゲーム・パズル・隠しメッセージ

エンタメ用途として謎解きや脱出ゲーム、パズルなどで登場することもあります。

映画やドラマでもモールス信号の登場シーンは割と多くります。

モールス信号を聞き取れない人がほとんどなので、隠しメッセージとして使われることもあります。

参考:いよわの楽曲「ももいろの鍵」に隠されたモールス信号とは!?

緊急時の通信手段として

現代でも災害時や生存信号として使われることがあります。

声が出せない」、「携帯がつながらない」、「光や音しか使えない」…

そんな状況でもモールス信号なら最小限の動作で情報を伝えることができます。

拉致されたり遭難中にも、ライトでSOSを発信することも可能です。

教育・歴史学習

通信技術の歴史を学ぶ教材として、科学館・博物館・学校で体験教材として使われることもあります。

電話やメールがなかった時代の情報伝達の工夫を感じとったり、現代までの技術発展の軌跡に思いを馳せることも興味深いことです。

「モールス電信技能認定」というモールス信号スキルのレベルを確認できる試験もあり、それを目指してみるのもおもしろいと思います。

参考:モールス電信技能認定とは?概要・各級のレベル・練習方法まとめ

モールス信号の昔の使い道は?

電話やメールが無かった時代にはどのような使い道があったのかも見ていきましょう。

長距離通信

主に鉄道・政府間・企業間での連絡に使用されていました。

電線を使ってモールス信号を送信し、遠方の拠点と即座にやり取りでき重宝されていました。

鉄道の運行管理

各駅や拠点間で列車の位置や運行情報の伝達に使われていました。

安全運行には不可欠な手段でした。

軍事通信

戦場での暗号化通信手段としてモールス信号が使われていました。敵に知られにくい連絡手段として重宝していました。

電話やメールができてからも、歌のリズムにモールス信号を紛れ込ませて秘密のメッセージを送るということもありました。

「Better Days」という曲が有名です。

船舶の無線通信

無線技術と結びつき、海上から陸への通信や、船同士の連絡手段として活用されていました。

タイタニックが遭難した際にモールス信号でSOSが発信されたのも有名な話です。

電話登場以前の商用通信

新聞社・商社などが、迅速な情報取得・伝達のために使用していました。

モールス信号の利便性

モールス信号の発明がどれだけ有益だったかは、その利便性からも伺えます。

モールス信号は、通信だけでなくさまざまな手段で活用できます。

音で伝える

  • ブザーや笛を使って「トン」「ツー」で送る。
  • ドアのノックの音で送る。

光で伝える

  • 懐中電灯やスマホのライトで、「短い点滅」、「長い点滅」で送る。

動きで伝える

  • 指を1回・3回動かすだけで意味を伝える
  • 目のまばたきで信号を送る。
  • 旗信号で送る。

振動で伝える

  • 振動を伝えられる環境であれば、「短い振動」、「長い振動」で伝えることもできます。

このように、視覚(光)・聴覚(音)・触覚(振動)など、さまざまな方法で情報を伝えることができるのがモールス信号の最大の特徴です。

簡単なモールス信号の例

もっとも有名で簡単なモールス信号といえば「SOS」でしょう。

SOSは以下で表します。すごくシンプルで覚えやすいモールス信号です。

文字モールス符号
S・・・(短点3回)
O---(長点3回)
S・・・(短点3回)

「SOS」のモールス信号を音声にすると以下です。

モールス信号(SOS)音声
・・・ --- ・・・

いざというときのために覚えやすい符号にするため「SOS」が使われるようになりました。

参考:モールス信号によるSOS

まとめ:モールス信号は「最もシンプルで強い通信手段」

モールス信号は、誰でも・どこでも・いつでも使える通信手段です。

古くから使われている一方で、今も現役で活躍する「非常時に強い技術」でもあります。

緊急用として、趣味として、学びとして、各自の目的でモールス信号を楽しんでみてください♪

もしかしたら災害や緊急時にモールス信号の知識があなた自身や誰かの命を守るかもしれません