「が」や「ざ」などの濁音(だくおん)をモールス信号でどう表せばいいのか、疑問に感じたことはありませんか?
モールス信号といえば「・(トン)」「-(ツー)」の組み合わせでアルファベットを表す印象が強いですが、日本語(和文モールス)には濁点や半濁点が存在するため、少しルールが異なります。
この記事では、和文モールスにおける濁点や半濁点の扱い方を具体例つきでわかりやすく解説します。
目次
和文モールスにおける濁点の基本ルール
和文モールスでは、「が」「ざ」「だ」などの濁音は、「濁点符号(・・)」を付加して表現します。
つまり、「が」は「か」の符号(・-・・)に濁点符号(・・)を続けて(・ー・・ ・・)と送信します。
濁点のモールス符号
- 濁点(゛)= ・・
濁点の例
文字 | 構成 | モールス符号 |
---|---|---|
が | か+濁点 | ・-・・ ・・ |
ざ | さ+濁点 | -・-・- ・・ |
だ | た+濁点 | -・ ・・ |
このように、濁点は単体の符号として後ろにつけるルールです。
半濁点(゜)の表現方法と「ぱ」「ぴ」などの打ち方
和文モールスでは、「ぱ」「ぴ」などの半濁音も明確に区別して表現されます。
半濁音にも専用の符号があり、半濁点符号(・・--・)を追加します。
半濁点のモールス符号
- 半濁点(゜)= ・・--・
半濁点の例
文字 | 構成 | モールス符号 |
---|---|---|
ぱ | は+半濁点 | -・・・ ・・--・ |
ぴ | ひ+半濁点 | --・・- ・・--・ |
ぷ | ふ+半濁点 | --・・ ・・--・ |
和文モールスの濁音・半濁音 一覧表
以下に濁音・半濁音とそのモールス信号をまとめました。
濁音一覧
文字 | 符号 |
---|---|
が | ・-・・ ・・ |
ぎ | -・-・・ ・・ |
ぐ | ・・・- ・・ |
げ | -・-- ・・ |
ご | ---- ・・ |
ざ | -・-・- ・・ |
じ | --・-・ ・・ |
ず | ---・- ・・ |
ぜ | ・---・ ・・ |
ぞ | ---・ ・・ |
だ | -・ ・・ |
ぢ | ・・-・ ・・ |
づ | ・--・ ・・ |
で | ・-・-- ・・ |
ど | ・・-・・ ・・ |
ば | -・・・ ・・ |
び | --・・- ・・ |
ぶ | --・・ ・・ |
べ | ・ ・・ |
ぼ | -・・ ・・ |
半濁音一覧
文字 | 完全な符号 |
---|---|
ぱ | -・・・ ・・--・ |
ぴ | --・・- ・・--・ |
ぷ | --・・ ・・--・ |
ぺ | ・ ・・--・ |
ぽ | -・・ ・・--・ |
実際の通信ではどうやって打つ?
実際の通信では、濁点なしの文字のあとに1文字分間隔をあけて濁点を送信します。
例「がんばれ」
- 「がんばれ」の場合
- 「が」= か+濁点 → 「・-・・ ・・」
- 「ん」= 「・-・-・」
- 「ば」= は+濁点 → 「-・・・ ・・」
- 「れ」= 「---」
→ 全体:「・-・・ ・・ ・-・-・ -・・・ ・・ ---」
間隔をあけないとどうなる?
たとえば、「た(-・)」に濁点「・・」をつけて「だ」を送るときに、間隔をあけずに「-・・・」と送ると、「は(-・・・)」になってしまいます。
しっかり間隔をあけて送信しましょう。
欧文モールスでは濁点は使われない?
欧文モールス(国際モールス)では、基本的にアルファベット(A〜Z)と数字、記号のみを扱うため、「が」「ざ」などの濁音や濁点は出てきません。
和文モールスと欧文モールスの違い
項目 | 和文モールス | 欧文モールス |
---|---|---|
対象文字 | 日本語50音+記号 | 英字・数字・記号 |
濁点の有無 | あり(別符号として送る) | なし |
利用シーン | 日本国内の業務・訓練用など | 国際通信(船舶・無線等) |
よくある疑問とQ&A
まとめ:濁音・半濁音をマスターして和文モールスを極めよう
和文モールスでは、濁点や半濁点も1つの符号として覚える必要があります。
最初は戸惑うかもしれませんが、追加するだけの仕組みなので、構造はシンプルです。
モールス信号の奥深さを知る一歩として、ぜひ濁音の表現方法もマスターしてみてください。
▼参考