モールス信号に関する資格・検定一覧

モールス信号は、かつて世界中の通信を支えたシンプルかつ奥深い伝達手段です。

アマチュア無線の世界や、防災・サバイバル技術、さらには趣味や脳トレの一環としても役立ちます。

  • そんなモールス信号のスキルを体系的に身につけたい
  • 自分の実力を客観的に証明したい

と考える方にとって、「資格」や「検定」は良い目標になります。

この記事では、モールス信号に関する資格・検定を紹介します。

目次

①モールス電信技能認定

<モールス信号に特化した試験「モールス電信技能認定」>

モールス電信技能認定の概要

モールス電信技能認定は、その名の通り、モールス電信(モールス符号を用いた通信)の技能レベルを証明するための試験です。

日本のアマチュア無線界の中心的な組織である一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)が主催しています。

モールス信号問題の出題形式

モールス電信技能認定のモールス信号問題の出題形式は、モールス信号の音声を聞いて文字にする「受信試験」がメインです。

最上位のレベルである名人位のみ「送信試験」もあります。

段級位モールス電信総合モールス電信欧文
名人位和文、欧文普通語、欧文暗語(送信・受信)なし
5段和文、欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)
4段和文、欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)
3段和文、欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)
2段和文、欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)
初段和文、欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)欧文普通語、欧文暗語(受信のみ)
1級和文、欧文普通語(受信のみ)欧文普通語(受信のみ)
2級和文、欧文普通語(受信のみ)欧文普通語(受信のみ)
3級和文、欧文普通語(受信のみ)欧文普通語(受信のみ)

ご自身のスキルレベルに応じて試験の難易度を選べ、初心者からベテランまでおすすめできる試験です。

モールス電信技能認定取得の効果・メリット

モールス電信技能認定は、唯一のモールス信号に特化した試験です。

効果・メリット
  • モールス信号スキル習得のモチベーションになる
  • 自分のモールス信号スキルを把握できる
  • 自分のモールス信号スキルの証明になる
  • モールス信号以外の知識の勉強をしなくてよい
  • 初心者から熟練まで対応可能

②総合無線通信士

<無線従事者業務の上位資格「総合無線通信士」>

総合無線通信士の概要

これは日本の無線従事者資格の中で上位に位置する国家資格であり、国際通信を含む高度な無線通信業務を担うための資格です。

総務省管轄の日本無線協会が運営しており、国際無線通信規則に基づく運用にも対応しています。

モールス信号問題の出題形式

総合無線通信士のモールス信号問題の出題形式は以下です。

種別出題形式
第一級総合無線通信士・和文(送受信):毎分75字の速度で約5分
・欧文暗語(送受信):毎分80字の速度で約5分
・欧文普通語(送受信):毎分100字の速度で約5分
第二級総合無線通信士・和文(送受信):毎分75字の速度で約5分
・欧文暗語(送受信):毎分80字の速度で約5分
・欧文普通語(送受信):毎分100字の速度で約5分
第三級総合無線通信士・和文(送受信):毎分70字の速度で約3分
・欧文暗語(送受信):毎分80字の速度で約3分
・欧文普通語(送受信):毎分100字の速度で約3分

実際に送受信を行う出題形式であり、実践的で難易度の高いモールス信号問題が出題されます。

総合無線通信士の効果・メリット

総合無線通信士は、無線業務において総合的な知識・技術を求められる難易度の高い試験です。

効果・メリット
  • モールス信号以外にも無線についての総合的な知識が身に付く
  • 海上・航空・放送・衛星通信などあらゆる分野の通信業務に対応可能

③国内電信級陸上特殊無線技士

<国内の陸上無線基地局の通信の資格「国内電信級陸上特殊無線技士」>

国内電信級陸上特殊無線技士の概要

業務用無線を操作するための国家資格です。

総務省管轄の日本無線協会が運営する無線従事者資格の一つで、陸上に開設する無線局(海岸局、海岸地球局、航空局及び航空基地局を除く)の無線電信を行うことが可能になります。

モールス信号問題の出題形式

国内電信級陸上特殊無線技士のモールス信号問題の出題形式は以下です。

種別出題形式
国内電信級陸上特殊無線技士・略符号の知識を問う問題
・和文(送受信):毎分75字の速度で約3分

筆記問題に加え、和文の送受信の実践的なテストがあります。

国内電信級陸上特殊無線技士の効果・メリット

国内電信級陸上特殊無線技士は、陸上で国内通信を行う無線に関する試験です。

効果・メリット
  • モールス信号以外にも無線についての知識が身に付く
  • 固定局、基地局、陸上移動局等の無線電信で国内通信のための通信操作を行うことが可能

④アマチュア無線技士

<個人的な趣味で無線通信を楽しむ「アマチュア無線技士」>

アマチュア無線技士の概要

総務省管轄の日本無線協会が認定する無線従事者資格の一つで、無線局(アマチュア無線局)を開設・運用するために必要な国家資格です。

取得で許可されること
第一級アマチュア無線技士アマチュア局のすべての無線設備の操作
第二級アマチュア無線技士アマチュア局の無線設備(空中線電力200W以下のもの)の操作
第三級アマチュア無線技士アマチュア局の無線設備(空中線電力50W以下であって、周波数が18MHz以上のもの又は8MHz以下のもの)の操作
第四級アマチュア無線技士アマチュア局の無線設備でモールス符号による通信を除く次のものの操作
・空中線電力10W以下であって周波数が21MHzから30MHzまで又は8MHz以下の無線設備
・空中線電力20W以下であって周波数が30MHzを超える無線設備

モールス信号問題の出題形式

アマチュア無線技士にはモールス信号の問題が一部あり、級ごとに以下のような問題が出題されます。

ペーパーテストであり、実際の音声による送受信の問題はありません。

出題形式
第一級アマチュア無線技士・Q符号等の略符号の知識を問う問題
・文字とモールス符号の対応付けの問題
第二級アマチュア無線技士・Q符号等の略符号の知識を問う問題
・文字とモールス符号の対応付けの問題
第三級アマチュア無線技士・文字とモールス符号の対応付けの問題(選択式)
第四級アマチュア無線技士・モールス信号の出題なし

アマチュア無線技士の効果・メリット

アマチュア無線技士は、趣味で無線通信を行う場合に必要な資格です。

効果・メリット
  • 趣味で無線を学びたい人のモチベーションになる
  • 個人で無線通信を行える(コールサインの取得)

その他の無線資格について

総務省管轄の日本無線協会が認定する資格には、他にも以下があります。

「海上無線通信士」、「海上特殊無線技士」、「レーダー級海上特殊無線技士」
「航空無線通信士」、「航空特殊無線技士」
「陸上無線技術士」、「陸上特殊無線技士」

これらの試験にはモールス信号の符号に関する出題はありません。

モールス信号に関するる資格・検定まとめ

モールス信号に関する問題が出題される資格・検定をまとめました。

試験趣味/業務とくにおすすめの方
①モールス電信技能認定趣味モールス信号のスキルを向上したい
②総合無線通信士業務ハイレベルな無線業務を行いたい
③国内電信級陸上特殊無線技士業務国内の基地局で通信業務を行いたい
④アマチュア無線技士趣味実際にモールス信号で交信したい

純粋にモールス信号のスキルを確認・向上させたい方は「モールス電信技能認定」一択です。

実際にモールス信号による交信を楽しみたい方は「アマチュア無線技士」も必須になるため、それも視野に勉強をがんばりましょう!



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