モールス信号の読み方・仕組み・ルールを完全解説|初心者にもわかる入門ガイド

モールス信号とは、「短点(・)」と「長点(-)」を使って文字や数字を伝える通信手段です。

1830年代にサミュエル・モールスらによって発明され、電信や無線で広く利用されてきました。

たとえば「SOS」は「・・・ --- ・・・」(短・短・短、長・長・長、短・短・短)と表現され、遭難信号として知られています。

そんなモールス信号の「読み方・仕組み・ルール」について知りたい方のための入門ガイドです。

モールス信号の読み方

モールス信号は、短点(・)と長点(-)を組み合わせた符号で構成され、1文字ごとに異なるパターンを持っています。

文字とモールス符号の関係

英語の場合、たとえば以下のような対応付けが決まっています。

文字モールス符号
A・-
B-・・・
C-・-・

日本語の場合は以下です。

文字モールス符号
--・--
・-
・・-

すべての符号を確認したい方は以下のモールス信号一覧をご覧ください。

参考:モールス信号一覧

和文モールスのひらがな・カタカナの扱い

モールス信号にひらがなとカタカナの区別はありません。どちらも同じ符号を使います。

ひらがなかカタカナかは文脈から判断します。

和文モールスの濁点・半濁点の扱い

濁点と半濁点にも以下のように符号が用意されています。

゛(濁点)・・
゜(半濁点)・・--・

たとえば、「だ」の場合は以下のようになります。

「た」の符号は「-・」です。
そこに濁点「・・」を付加して「-・ ・・」が「だ」になります。

「-・」と「・・」の間にはスペースがあります。

スペース無しで「-・・・」にすると「は」になってしまうので注意が必要です。

参考:モールス信号で濁点はどう書く?濁音・半濁音の表現ルールを解説

和文モールスの小さい文字の扱い

モールス信号に「ぁ」や「っ」などの小さい文字はありません。

小さい文字も、通常サイズの文字として表記します。

「ちょっと」と書きたいときは「ちよつと」としてモールス信号を書きます。

小さい文字かどうかは文脈から判断します。

参考:モールス信号で小さい文字「ゃゅょ」「っ」はどう送る?英語小文字も解説

欧文モールスの大文字・小文字の扱い

英語のアルファベットに大文字・小文字の区別はありません。

どちらも共通の符号を使います。

参考:モールス信号で小さい文字「ゃゅょ」「っ」はどう送る?英語小文字も解説

モールス信号の長さの仕組み

モールス信号をテキストで表すときは半角スペースなどで文字を区切れますが、「」で表す際にはルールがあります。

モールス信号の音声の長さ

モールス信号の音声の長さは、以下と定義されています。

種類説明長さの目安(単位)
短点「・(ドット)」「トン」1単位(例:0.1秒)
長点「-(ダッシュ)」「ツー」3単位(例:0.3秒)
短点や長点の間の区切り同一文字内の無音1単位(例:0.1秒)
文字と文字の間の区切り別の文字との間の無音3単位(例:0.3秒)
単語と単語の間の区切り単語間の無音7単位(例:0.7秒)

このように時間の長さと間隔によって文字を伝えるのがモールス信号です。

モールス信号の音声の長さの図解

さきほどの定義を英語「DO IT」を例に図解にしたものが以下です。

音声の長さの図解

「信号を鳴らす時間の長さ」と「鳴らさない時間の長さ」によって文字を判別する仕組みになっています。

モールス信号の法的なルールやマナー

モールス信号にはいくつかの法的なルールやマナーがあります。

代表的なものを紹介します。

モールス信号の送信には資格が必要

モールス信号を送信するには資格が必要になります。

趣味でモールス信号で交流する場合でも、3級以上のアマチュア無線技士の資格が必要です。

アマチュア無線技士は1級から4級までありますが、4級ではモールス信号の許可は得られません。

モールス信号で交流したい方はアマチュア無線技士の習得も視野に入れて勉強しましょう。

無線局運用規則

モールス信号については無線局運用規則という規則があります。

少し読みづらい文章なのですが、モールス信号の符号も定義されていたりと知っておいた方がいいこともあるかもしれないので目を通しておくのも良いでしょう。

モールス信号を学ぶ方法

モールス信号の学習方法は、「符号で覚える」、「音感法」、「語呂合わせ」などさまざまあります。

以下でモールス信号の覚え方をまとめていますので参考にしてみてください。

参考:モールス信号の覚え方

よくある質問(FAQ)

モールス信号に小文字はあるの?

ありません。大文字小文字の区別はありません。

句読点はどう表現する?

句点(、)は「・-・-・-」
読点(。)は段落を意味する(」)「・-・-・・」を利用します。

モールスで間違えたときの訂正方法は?

「・・・・・・・・」で訂正を意味します。和文モールスでは「・・・-・」が使われることもあります。

習得にどれくらいかかる?

毎日10~15分の練習で、数週間~数ヶ月である程度習得できます。

符号がアルファベット順に割り当てられてないのはなぜ?

利用頻度の高い文字を短い符号で表現しています。少しでも短い時間で情報伝達するための工夫です。

まとめ

モールス信号は、単なる古い通信手段ではなく、緊急時に役立ち、学ぶ楽しさもある奥深いスキルです。

この記事では以下の内容を紹介しました。

  • モールス信号の読み方
  • モールス信号の長さの仕組み
  • モールス信号の法的なルールやマナー
  • モールス信号を学ぶ方法

あなたも「トン」「ツー」の世界に触れてみませんか?